尿酸値が7.0mg以上だと危険
男女間で尿酸値の平均値は違いますが、日本痛風。核酸代謝学会では尿酸値の正常値を男女とも『7.0mg以下』に定めています。なので6.9mg、7.0mgでは正常値、7.1mg以上では高尿酸血症になります。
7.0mgに定めたのは、血液に溶解する尿酸の飽和濃度の上限のためです。正常値の7.0mgを超えると尿酸が溶解できずあまった尿酸が関節の中で結晶化して蓄積されます。
この状態が続くと痛風を引き起こしやすくなります。

尿酸値が高い状態でこんな症状が痛風サイン
尿酸値が高く高尿酸血症の人が一番警戒しなければいけないのが『痛風』です。
尿酸値が高いまま放置しているとある日突然激しい痛みに襲われます。痛風は文字通り、『痛い』病気です。
痛風の痛みが出る場所は、足の親指の付け根が最も多く全体の70%にあたります。
そのほかにはやはり足の症状が多く、くるぶし・アキレス腱・親指以外の足の付け根、膝などがあります。
極まれに手の指や肘などにも症状が現れることも。
通常、痛みを感じるのは1か所だけで複数に痛みが出ることはあまりありません。
痛風発作は数日続き、最大1週間程度痛みが消える
痛風によって起きる関節部の炎症を痛風関節炎、または痛風発作と言います。
人によって個人差はありますが、痛みは時間の経過によって激しくなり、痛風発作の痛みのピークは1日経過したときです。その後数日痛みは継続します。
患部赤く腫れ上がりあまりの激痛により歩行はすることはもちろん、靴を履くこともできません。
はじめて痛風発作を経験した人は『拷問を受けてた』、『足を切り落とされた』『爪の間にナイフを刺された』など、恐ろしい発言します。
しかし、そんな激痛も不思議と1週間過ぎるとなにもなかったかのように症状がなくなります。
痛風発作を短期間で繰り返す場合は・・・
痛風は一時的に激しい痛みがあり、しばらくすれば消えてしまう病気と思いがちですが、そんなことはありません。
関節の痛みを繰り返しいるうちに体のあちこちに様々な症状が生じることがあります。合併症です。
また、尿酸値は高いけど、痛風発作にはなっていない人は注意が必要。特に尿酸値が高い期間が長く、30代以降は危険です。
腎臓に負担がかかり結石ができるなど重い病気に関連してしまうことがあります。
たかが関節の痛みと侮っていると後々痛い目にあいますので注意しましょう。
尿酸値が高い原因はたくさんある
尿酸値が高い原因はさまざまで、すべてが解明されていません。
遺伝や体質、生活環境から生活習慣など色々関係しています。尿酸値が高い原因にあげられる代表的なものは次のとおりです。
・肥満・・・肥満は尿酸値を上げる大きな原因でもあり合併症を引き起こす要因になります。肥満だと尿酸を排出させにくくなると証明されており、内臓脂肪が増えると尿酸の生産が早くなります。
・激しい運動・・・散歩やランニングなどの有酸素運動は体への負担が少ない適度な運動は効果的です。しかし、ウエイトトレーニングや激しいスポーツの無酸素運動は尿酸値を上昇させてしまいます。
・アルコール・・・アルコールには体内の尿酸を合成促進させる作用があり、種類に関係なく尿酸値を上昇させます。また、腎臓の尿酸排出機能を低下させるため、尿酸をためやすくします。
・ストレス・・・ストレスが尿酸値を上げる原因は解明されていませんが、一部で生活環境の劇的な変化や人間関係のストレスで血圧を上昇させて尿酸にも影響があると報告されています。
・過食・・・食べ過ぎは体内で作られる尿酸も多くなります。腹八分が良いでしょう。また過度の水分不足も尿酸を排出しにくくなるため原因にあげられます。
健康診断で尿酸値が高かったらまずはなにをすればよい?
健康診断で尿酸値7.0mg以上だった場合、高尿酸血症と診断されますが、まずなにをすれば良いのか。
医師の判断にもよりますが、尿酸値7.0mg以上で痛風発作がない場合は、すぐに薬物療法になることはないでしょう。
多くの場合、生活習慣、食事習慣の改善や適度な運動を提案されます。それを数か月続けて再度血液検査で尿酸値を確認。改善がみられない場合、少量の薬物療法からスタートされ経過観察になります。
もちろん薬を飲みながらも、生活習慣、運動は継続していきます。それでも改善しない場合は薬の用量を増やします。ですが、多くの場合、薬物療法すればほぼ改善しますので、過度に焦る必要はありません。
また、薬の影響で尿酸値が下がったからといってすぐに自分の判断で薬をやめてしまうのは危険です。きちんと医師と相談して経過を見守りましょう。